理論的には、Linux は 4M の RAM で動くはずですが、メモリが多ければ多い ほど、ずっといろいろなことができるようになります。X ウィンドウを動かす には最低でも 8M のメモリが必要です。X ウィンドウを快適に使うには 16M のメモリが必要でしょう。X ウィンドウ上で日本語を快適に使うには、32M の メモリが欲しくなります。もう 8M 分の仮想メモリ(スワップファイル)を作る には、ルートになって以下のようにしてください。
# dd if=/dev/zero of=/swapfile bs=1024 count=8192
# mkswap /swapfile 8192
# sync
# swapon /swapfile
最後の行を /etc/rc.d/rc.local に加えて次からは起動時にスワッ
プファイルを使うようにしましょう。あるいは、/etc/fstab に以下
のように加える方法もあります。
/swapfile swap swap defaults
Unix の世界で広く使われているアーカイブと圧縮のためのプログラムは
tarと gzip です。tar はアーカイブを作るため
に使われます。tar は PKZIP に似ていますが、圧縮機能
は持たず、アーカイブファイルを作るだけです。新しいアーカイブファイルを
作るには、
$ tar -cvf <archive_name.tar> <file> [file...]
とします。アーカイブファイルからファイルを取り出すには
$ tar -xpvf <archive_name.tar> [file...]
とします。アーカイブファイルの中身を表示するには、
$ tar -tf <archive_name.tar> | less
とします。
ファイルを圧縮するには compress か gzip を使います。
compress は時代遅れのプログラムでこれからはあまり使われなくな
るでしょう。
ファイルを圧縮するには以下のようにします。
$ compress <file>
$ gzip <file>
これで拡張子が .Z(compressの場合) か、.gz(gzipの場合)
の圧縮したファイルが作成されます。これらのプログラムは一度に一つのファ
イルしか圧縮できません。圧縮したファイルを展開するには以下のようにしま
す。
$ compress -d <file.Z>
$ gzip -d <file.gz>
詳細については RMP すること。
unarj や zip、unzip (PK??ZIP 互換)といった
プログラムもあります。.tar.gz か .tgz という拡張
子を持つファイル(tar でアーカイブしてから gzip で圧
縮したファイル)は DOS の .ZIP ファイルのように Unix の世界で使われて
いるアーカイブファイルを圧縮した形式です。.tar.gz アーカイ
ブの中身を表示する方法を示します。
$ gzip -dc <file.tar.gz> | tar tf - | less
最近のGNU tarでは tar にファイルの圧縮/展開機能が組みこまれており、
-z オプションを追加することで圧縮/展開処理が可能です。
$ tar -cvzf <archivename.tar.gz> file [file...] (圧縮してアーカイブ)
$ tar -xvzf <archivename.tar.gz> file [file...] (圧縮アーカイブの展開)
$ tar -tzvf <archivename.tar.gz> | less (圧縮アーカイブのリスト)
まず最初に: 各種ソフトウェアをインストールするのはルートの仕事です。
.tar.gz や .tgz の形式で配布されているアプリケー
ションは通常そのままインストールできるようになっているので、ルートになっ
て / ディレクトリで以下のようにすればインストールできます。
# gzip -dc <file.tar.gz> | tar xvf -
展開されたファイルは正しいディレクトリにインストールされ、必要ならばディ
レクトリが自動的に作成されます。Slackware を使っている場合、
pkgtool を使うことも可能です。もう一つ、Red Hat が配布してく
れている rpm という形式もあります。
/ ディレクトリからはインストールすべきでないプログラムもあります。例え
ば、アーカイブファイルに pkgname/ というディレクトリがあって、
多くのファイル、と/あるいは、サブディレクトリが pkgname/ 以下に
あるような場合です。これらのプログラムは /usr/local 以下にイ
ンストールするのがいいでしょう。加えて、C や C++ のソースファイルの形
式で流通しているソフトウェアもあります。これらはコンパイルして実行形式
を作る必要があります。コンパイルといっても、ほとんどの場合は
make と入力するだけです。もちろん、これらのソフトウェアをイン
ストールするには gcc コンパイラが必要です。
コマンドの補完: 途中まで入力したコマンドを完成するには
<TAB> キーを押します。例えば、gcc this_is_a_long_name.c
と入力すべき場合、gcc thi<TAB> とすれば、残りは自動的に
補完してくれる場合があります(同じ文字で始まるファイルが複数ある場合は、
一つに確定できるまでの部分を入力する必要があります)。
逆スクロール: SHIFT + PAGE UP(たいてい灰色のキー)を押せ ば、数ページ分画面が逆スクロールします。何ページ分戻れるかは使っている ビデオメモリに依存します。
画面のリセット: more や cat でバイナリファ
イルを表示してしまうと、画面がおかしくなるかも知れません。その場合、以
下のコマンドを(入力が表示されないかも知れませんが)入力して画面をリセッ
トします。
echo CTRL-V ESC c RETURN
行の切り貼り: コンソールの場合は次を見てください。X の場合、
xterm の中で、必要な部分の先頭でマウスの左ボタンをクリックし
て、そのまま必要な部分をマウスで選択します。必要な部分を選択すれば、ボ
タンを離して、テキストを貼り付けたい部分にマウスを移動します。テキスト
を貼り付けたい場所でマウスの真中のボタン(2 ボタン式のマウスならば二つ
のボタンを同時に)押すと、その部分に選択したテキストが貼り付け(ペースト)
られます。xclipboard というプログラムもあります(残念なことに
テキストにしか対応していません)。xclipboard の反応はとても遅
いので、反応がなかなか返ってこなくても慌てないでください。
マウスの使い方: X を使わないコンソール画面でマウスを使いたい
場合、 gpm というマウスドライバをインストールします。必要なと
ころの先頭でマウスの左ボタンをクリックしながら必要な範囲をマウスで選択
し、右ボタンをクリックすれば選んだ部分が貼りつけられます。これは異なる
仮想コンソール間でも使えます。
カーネルからのメッセージ : カーネルが出力しているメッセージを
見るには、ルートになって/var/adm/messages か
/var/log/messages を見てください。ここには起動時のメッセージ
も保存されています。
以下に示すリストは私の個人的な好みと必要性に基づいたものです。みなさん
は既にネットサーフの仕方や archie や ftp の使い方を
知っているでしょうから、これらのプログラムを入手する先として以下に
Linux にとってもっとも重要な 3 つのアドレスを示します。それらは、
sunsite.unc.edu,
tsx-11.mit.edu,
nic.funet.fi
です。
これらのサイトには多数のミラーサイトがあるのでお近くのミラーサイトをお
使いください。例えば、国内では
KDD Lab や
ftp.hitachi.co.jp
ftp.kuis.kyoto-u.ac.jpなど
がミラーサイトになっています。
at を使えば指定した日時にプログラムを実行することがで
きます。
awk は、簡単ですが強力なデータファイル(だけではありま
せんが)処理言語です。例えば data.dat というデータファイルがあ
る場合、
$ awk '$2 ~ "abc" {print $1, "\t", $4}' data.dat
とすれば、data.dat の各行のうち、2 つ目のデータに ``abc'' と
いう文字列がある各行の 1 つ目と 4 つ目のデータを表示します。
delete-undelete は名前の示す通りです。
df はマウントしているディスクの容量を表示します。
dosemu は(全てではありませんが)さまざまな DOS のプログラムを
実行可能にします。少々の工夫が必要ですが Windows 3.x も動きます。
file <filename> は filename が何か(アス
キーテキストファイル、実行形式、アーカイブ、等)を表示します。
find (
dir の章も見てください)は
もっとも強力で有用なコマンドの一つでしょう。このコマンドは、さまざまな
特徴を持つファイルを見つけだして、指定した処理を行ないます。
find の一般的な使い方は以下の通りです。
$ find <directory> <expression>
ここで <expression> で探す項目や処理方法を指定します。例えば、
$ find . -type l -exec ls -l {} \;
とすれば、カレントディレクトリ以下にあるシンボリックリンクになっている
ファイルを見つけて、それぞれのリンク先を表示します。
$ find / -name "*.old" -ok rm {} \;
この例では ``.old'' というファイル名を持つファイルを見つけて削除します
が、削除する際に確認を求めます。
$ find . -perm +111
この例では実行許可が設定されているファイルを見つけます。
$ find . -user root
この例ではルートユーザが所有者のファイルを表示します。この他にもさまざ
まな指定方法がありますので、詳細については RMP してください。
gnuplot はさまざまなデータをグラフ化する優れたプログラムです。
grep はファイルの中の指定したパターンに一致する行を表示します。
例えば、
$ grep -l "geology" *.tex
とすれば、*.tex のファイルのうち、``geology'' という語を含むファイルを
表示します。zgrep は gzip 形式で圧縮したファイルも扱えます。
詳細については RMP してください。
gzexe は実行形式を圧縮し、圧縮したまま実行可能にします。
joe は優れたエディタです。jstar というコマンド名でこ
のプログラムを起動すると WordStar やその後継者である DOS やボーランド
の Turbo シリーズのエディタと同様のキーバインディングが実現できます(残
念ながらこれらのエディタは日本語を表示できません)。
less はテキストを見る最良のツールでしょう。正しく設定
すれば、gzip されたファイルや tar ファイル、zip 形式のファイルなども見
ることが可能です。less で日本語ファイルを表示する場合、環境変
数 LESSCHARSET を忘れず指定してください。
lpr <file> はファイルをバックグラウンドでプリン
トします。プリントの待ち行列の状態をチェックするには lpq を使
います。待ち行列から削除するには lprm を使います。
mc はすぐれたファイルマネージャです。同様のファイルマ
ネージャとして、日本語のファイル名を持つファイルも操作できる
FD があります。
pine はすぐれた e-mail プログラムです。mnews
はネットニュースと e-mail の双方を読み書きできます。
script <script_file> は画面出力を
script_file にコピーします。終了するのは exit です。
デバッグに便利な機能でしょう。
sudo は一般ユーザにルート権限の仕事を可能にします(例え
ばディスクのフォーマットやマウント。詳細は RMP のこと)
uname -a はシステムについての情報を表示します。
zcat と zless は gzip で圧縮されているテキストファイ
ルを圧縮したまま見ることができます。こういう使い方が可能です。
$ zless textfile.gz
$ zcat textfile.gz | lpr
bc, cal, chsh, cmp, cut, fmt,
head, hexdump, nl, passwd, printf, sort, split, strings, tac, tail,
tee, touch, uniq, w, wall, wc, whereis, write, xargs, znew 各コマ
ンドの内容については RMP してください。
以下にフォント類のような複雑なものを除いた拡張子の付け方の一般的なルー ルを示します。
.1 ... .8 は man ページです。見るためには man します。
.arj は arj で作ったアーカイブです。展開するには
unarj を使います。
.dvi は TeX (後述)の出力形式です。画面に表示するには
xdvi を使います。ポストスクリプト形式の .ps に変換するには
dvips を使います。日本語の入った dvi ファイルの場合、jdvi2kps
か、日本語化された dvi2ps を使います。
.gif はグラフィックデータです。見るには
seejpeg か xpaint を使います。シェアウェアですが、
xv はさまざまな形式のグラフィックデータを表示することが可能で
す。
.gz は gzip で作った圧縮ファイルです。
.info は INFO 形式(man ページの代りになるもの)のファイルです。
使うには info を入手してください。
.jpg、 .jpeg はグラフィックファイルです。
表示するにはseejpeg を使います。xv でも表示できます。
.lsm は Linux Software Map のエントリです。通常のテキストファ
イルで、そのソフトウェアについて説明しています。
.ps はポストスクリプト形式のファイルです。画面に表示したり出
力するには gs あるいは ghostview を使います。
.tgz, .tar.gz は tar で作ったアーカイブを
gzip で圧縮したファイルです。
.tex は TeX のソースファイルです。TeX は強力なタイプ
セットプログラムです。TeX を使うには様々な種類のある tex パッ
ケージをインストールしてください。ただし Slackware96 以前のバージョン
に含まれている NTeX はフォントが壊れているので注意すること。
.texi は texinfo 形式のファイル(info 形式と比較して
ください)です。使うには texinfo が必要です。
.xbm, .xpm, .xwd はグラフィックデータです。xpaint
を使います。xv でも表示できます。
.Z は compress で作った圧縮ファイルです。
.zip は zip が作った圧縮ファイルです。zip
と unzip を入手してください。